一流ホテルのベッド > 世界のホテル見本市にはどんなものがある? > ホスピタリティデザイン見本市 |
HD Expo (ホスピタリティデザイン見本市) HD Expo ( at ラスベガス) |
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→ かつてヴェルサイユ宮殿のシャンデリア等も手掛けた高級クリスタルメーカーのスワロフスキーは最近ではファッションやインテリア業界にも進出。ブース入口にはユニークな人形が立っています。 | ||
← カラフルなベッドカバー・スローの組み合わせ。日本のホテルではあまり見られない様な奇抜な色の組み合わせも向こうでは有りです。 | ||
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これが、当サイトでもお馴染みの、全米ホテル業界で納入実績ナンバーワンの「SERTA」のホテルベッドのコーナー。この周辺のほとんどのホテルに「SERTA」が納入されているという、巨大有名ホテルが乱立するラスベガスでの開催だけに力も入ります。 (米国仕様と日本仕様では少し仕様が異なります。たとえば、米国のホテルの客室では、上の写真の様に、ベッドの脚の上にスチールのフレーム(黒い部分)があり、その上にボトム・マットレスが載っています。床からマットレス上面までのHも日本人向け仕様よりはかなり高めになっています。) |
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← 「HOSPITALITY DIVISION(ホスピタリティ ディビジョン)」とは、サータの「ホテル事業部」といったところ。 | ||
「デュベ(ホテル羽毛ベッドカバー)」や「ホテルピロー(枕)」の色々なバリエーション。 |
← 普段はソファ、引き出せばベッドに早変わり、という機能的なベッドは、ソファベッド・コンバーチブルソファ・ハイダー・・・等、業界でも呼び方は色々あります。 日本ではシングルサイズがほとんどですが、これはダブルサイズのベッドが中から出てきます(しかもピローソフト仕様のマットレス)。 可動式の業務用ベッドとしての最大のポイントは、やはりその耐久性。 |
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インテリアの世界でも、エコ・環境を考えた素材の提案は時代の趨勢。 | ↑ 高級バスローブやタオルも素材や仕様は様々 → | |
この見本市は、ホテルのインテリアを対象にしているにも関わらず、「ホテルデザイン」とは呼ばれず、「ホスピタリティ デザイン」と呼ばれています。 「ホスピタリティ」という言葉は一般的にはあまり馴染みの無い言葉かもしれませんが、「ホスピタリティ(hospitality)」は、もともと「ホテル(hotel)」や「ホスピタル(hospital)」の語源にもなっている言葉で、「思いやり」「おもてなし」「歓待」など、サービス業界にとっては欠かすことができない基本的な精神を表す言葉です。 「ホスピタリティ産業」とは、観光、宿泊、料飲、婚礼等の産業を指し、広義では、教育、医療、介護、福祉を含む、とても巾の広い言葉です。 それだけ、この「HD EXPO」は、ホテル業界がメインターゲットでありながらも、それにとどまらず、広くホスピタリティ産業を視野に入れた見本市といえるでしょう。 |
↑ 展示スペースを有効に使う為、ベッドを敢えて半分の長さで展示しているブースも。 |
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ホテルでは植物も大事なインテリアのひとつ。プランターにも、陶器、テラコッタ、FRP、石材、金属、木製等・・・さまざまです。 | 軽量感や使い勝手をアピールするスタッキングチェアー。 | 主にパブリックスペース等のアートワークを手掛ける会社。 |
物件の都度デザイン・設計を起こすホテルの椅子は、デザイン性・耐久性と座り心地のバランスが鍵。 かつて、アメリカでインテリア・家具の産地といえば、ノースカロライナ州のハイポイントという町でした。現在、ラスベガスは、そのハイポイントにとってかわろうとしています。 ラスベガスには、「World Market Center」という、巨大な家具のショールームが2005年以降次々オープンし、現在3棟あるのですが、今後、計画としては8棟が計画されています。全て合わせると、敷地面積は57エーカー(約23万平方m)、もし8棟すべてが完成すると、総展示スペースは1200万平方フィート(約111万平方m)になり、総工費は30億ドル(3600億円)で、家具のショールームとしてはもちろんのこと、コンベンション施設としても世界最大になります。 毎年2回開催されている「ラスベガスマーケット」という家具の展示会では、毎回世界中から6万人を超えるバイヤーやマーチャンダイザーが既にラスベガスを訪れています。 |
インテリア素材メーカーの色々なバリエーション。 |
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大きな熊のオブジェが人目を惹きます。レストランのディスプレイ等をデザインする会社。 | ||
バスルームのシンクひとつにしても色々なデザイン・柄があります。 |
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かたや、ハイポイントはノースカロライナの田舎町の為、「移動が大変」、「スペースがたりない」・・・等といった不満の声が以前からあった様で、宿泊施設も足りないといわれてきました。このラスベガスの「World Market Center」は、こうした家具・インテリア業界のニーズをキャッチし誕生した施設で、従来からのハイポイントの家具コンベンションは、今後縮小し、いずれなくなるのでは?と危惧されています。 | ||
ノースカロライナの有名家具メーカー、トーマスビル等も出ていました。 |
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我々がホテルに商品を納入する場合、オーナー(施主)であるホテル側との関係と合わせて、建築会社・設計事務所との打ち合わせ等は不可欠ですが、この建築会社・設計事務所の分野では、業界で実績のある会社ランキングとして、1位が「AECOM Technology Corporation」、2位が「HBA」、3位が「Gensler」、4位が「Amirican hotel Register」、5位が「Wilson Associates」が挙げられています。 1位の「AECOM」は、建築・設計、コンサルティングサービスを提供する巨大企業で、世界に43,000人以上の従業員をかかえ、100カ国以上の国と地域で業務を行っている会社です。日本でも東京ミッドタウンの緑地デザイン等も手掛けていて、米国紙Fortune 500で458位、米国Engineering News Record誌で第2位、Architectural Record誌には第1位にランクしている会社です。 2位の「HBA(Hirsch Bedner Associates)」は、これまでに、東京の「シャングリラ東京」等も手掛けている設計事務所。他にも、マカオのフォーシーズンズや、広州のリッツカールトン、上海のウォルドルフアストリア等、アジアをはじめ世界中に事務所を持ち活動しています。 3位の「Gensler」は、ホテルに限らず世界中の様々な施設のデザインを手掛ける会社です。4位の「Amirican hotel Register」は、客室の内装工事(F.F.E.工事)、コンサルタント等、トータルで巾広く請け負っています。5位の「Wilson Associates」は、ラスベガスのベネチアン、パームス、MGMなどの巨大ホテルや、世界各地のリゾートホテルやカジノホテル等の設計を多く手掛けています。日本でも横浜のM.M.タワーズや汐留の高級マンション等を手掛けている会社です。 |
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昨今の景気の後退低迷で、昨年の米ホテル業界全体の売上げは約15〜20%程度落ち込みました。その影響は今回の見本市にも少なからず影を落としている様でした。 ビジネスマンは出張の頻度と期間を減らし出費を抑え様とし、一般の旅行者も旅行の回数を減らし滞在期間を短くする傾向にあります。各ホテルは、消費者の旅行パターンの変化に対応し、生き残りを図っています。インフラ設備を徹底的に見直してコスト削減を図り、利用客にとって、お得感があり、尚且つ高級感を失わない、高レベルのホスピタリティサービスが提供出来るホテル作りを目指しています。 また、メーカー側としても、環境に優しい素材やリサイクル素材の活用、製造段階においていかにエネルギー排出量を抑えるか等、環境問題や地球温暖化の対策に企業として積極的に貢献している姿勢を前面にPRし努力している様子が窺えます。 景気の落ち込んでいる時に徹底的な対策を打っておくことによって、今後、景気の回復による更なる業績の復活を目指しています。 |
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