「民泊」という言葉を聞かれたことがあるかたも多いと思います。
また、これから民泊事業を始めたいと思っておられるかたもいらっしゃるかと思います。
本日は、民泊とホテルの違いを、ベッドまわりを中心に見てみたいと思います。
民泊とは?
では、まず、民泊とは何かをみていきましょう。
「民泊」とは、一言で言うと、一般の民家に泊まることです。もう少し言うと、「宿泊用に提供された個人宅の一部や、空き別荘、マンションの空室などに宿泊すること」です。
一般的なホテルや旅館などの宿泊施設は、昭和23年に施行された「旅館業法」によって規定されています。一方で、この民泊は、民泊新法(住宅宿泊事業法)という、従来の旅館業法で定める営業形態等にはあてはまらない、新しい営業形態の「住宅宿泊事業」に関して規定する法律で規定されています。
自宅の一部であったり、空き家を改装したり、使っていないお部屋や建物を有効活用して民泊施設にするというものです。
では、民泊の客室の中で、最も大切なアイテムのひとつでもある、ベッドとその周辺寝具は、実際のホテル等とどう異なるでしょうか。
また、これから民泊施設を運営しようとする場合に、なるべくコストをかけずに、民泊の寝室を、一流ホテルや高級旅館の客室インテリアに近付ける方法としてもご参考になればと思います。
民泊で使うお部屋というのは、基本的に、既存で存在するお部屋です。最初から民泊施設として使おうとして設計・施工されたお部屋ではなく、あくまで最初は個人用等のお部屋として作られたお部屋を、宿泊用として貸し出すわけですから、もともと宿泊施設として作られたホテル旅館とは、そのあたりが根本的に異なります。
ベッドまわりについて、具体的にいくつかみてみたいと思います。
あらかじめホテル客室として設計施工されたお部屋の場合、ベッドの配置は設計段階であらかじめ決められていますので、ベッドを置く位置には、それなりの仕様が施してあります。
ベッドの頭の部分の違い
家庭用として家具店やホームセンター等でよく売られているベッドの頭のところには、よく板状のボードが固定されていますよね。これは「ヘッドボード」といいます。
ホテルの客室では、日々のベッドメイクのし易さ等の理由から、ベッドとヘッドボードは基本的に分離型で、ベッドメイキングの際は、ベッドだけを少し手前に出して、ベッドの四方周囲からシーツ等でベッドメイクします。
そのため、ヘッドボードは別途、頭元の壁に固定されています。これは、ヘッドボードは、周囲のデスクなどの家具とトータルコーディネートされて納入されるという理由もあります。
最初から宿泊施設として設計されたお部屋は、このベッドの頭のヘッドボードの部分の壁が、ヘッドボードが無くても使える様な設計になっている場合が多々あります。
たとえば、こんな感じですね↓
こんな感じとか・・・
こんな感じとか・・・
一般の家庭の部屋を民泊として貸し出す場合には、壁側設置式の別売りのヘッドボードを使って、ベッドメイクし易い様にセットするか、ヘッドボードはむしろ無しにして、ベッドの頭元が寂しく感じられる場合は、頭のところを四角クッションや円柱クッションや枕等でコーディネートすると良いですね。
ベッドの頭元の配線の違い
また、ホテルにチェックインして客室に入る際、スイッチを入れて電気を点けますね。最近は、カードやキーを差し込むと、自動で点灯する照明も多いです。
ホテルの客室では、入り口のドアのところで照明をつけたり、また、就寝時、ベッドの頭元のスイッチで操作することもあります。ホテルのベッドの頭のところに、こんなコントロールパネルがあるのを見たことがありませんか・・??
就寝時、わざわざ立ち上がって照明を消さなくても済む様、ホテルでは、このコントロールパネルのスイッチで、客室内のすべての照明やエアコンを操作することが出来る様になっています。時計も組み込まれています。
でも、その様な操作が可能なのは、あらかじめ、客室の電気配線が、三路スイッチになっていて、入り口やベッドなど、複数の場所で電気の操作ができるような配線になっているからなのです。実際、ホテル客室のベッドの頭元の床には、色々な配線が露出しています。
ここにベッドの頭部分がきて、コントロールパネルに配線を接続するためのものです。これは、当初のお部屋の設計段階から、ベッドの配置や客室の照明などの配線がすべて決まっているからできる工事です。
一般の家庭を民泊として利用する場合は中々難しい技ですが、その場合は、別途、置き式の照明や時計などを用意すると良いでしょう。
ベッド構造の違い
既にある既存のベッドを民泊用として使用する際、家具店やホームセンター等の家庭用のベッドでは、ベッドの下が引き出し付きであったり、すのこ状であったりと色々です。
一方、大手ホテルでは、ベッドの下部は、「ボックススプリングボトム」といって、中にコイルが組み込まれたダブルクッションの構造が基本です。それによって、より深い寝心地と、業務用としての、より高い耐久性を実現しているのです。
既存の家庭用ベッドでも民泊施設用として使用は可能ですが、理想的には高級ホテルのベッド(マットレス+ボックススプリングボトム)を設置すると、イメージは全く変わります。
シーツの違い
シーツについては、実際のホテル旅館の客室では、フラットなタイプの「メイキングシーツ」が一般的に使われます。
一方、家庭では、使い勝手の面からも、箱型の「ボックスシーツ」が人気です。きっちりと綺麗に張りのあるベッドメイクができるのは、フラットな「メイキングシーツ」の方ですが、日々のベッドメイク作業という点からは、少人数や家族での対応が基本の民泊では「ボックスシーツ」でも問題はありません。
ベッドカバー(お布団)の違い
家庭用の寝具やベッドカバーとしては、通常、家具店やホームセンターなどで一般的に売っているスタイルのものしかありません。
一方、ホテルでは、「デュベ」というスタイルが最も多く使われています。白ストライプなどの清潔感溢れる寝具で、現在、全国のホテル旅館で主流となっています。
デュベは、外側のデュベカバーと中の羽毛布団のセットで、お布団、兼、ベッドカバーというアイテムで、外側のデュベカバーだけ外してお洗濯できるものです。足元はマットレスの下に巻き込むようにしてベッドメイキングしますので、きっちりと綺麗にベッドメイクができるのです。
「デュベ」については、また別のページでもご紹介していますのでご参考にして下さい。
大きなポイントとして、「デュベ」の上から、帯状の「ベッドスロー(ライナー)」を掛けると、ホテルらしくなります。
まとめ
ホテル旅館の客室と、民泊の客室について、ベッドまわりを、いくつかみてきましたが、ベッド周辺だけでも色々と異なる点があります。もちろん、この他にも、色々と違いはあります。
民泊を運営する側としては、どこまで高級ホテル旅館の客室に近付けるか、どの点を重視するか、もちろん、ベッド周りだけではありませんから、今後の展開や稼働率などを見据えながら、理想のイメージと予算の折り合いをどうつけるかといったところでしょう。
最後までご覧いただき有難うございました。
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◇ご参照 ホテル客室必須アイテム ;
ベッド ホテル シーツ ホテル ベッドカバー ホテル 枕 ホテル
ベッドスプレッド サータ 和室 ベッド ベッドスロー
大きいサイズ ベッド サータ ホテル マットレス
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