日本全国にある専門学校
文部科学省の学校基本調査によると、現在、日本全国に、大学は約800校、短期大学は約300校余りあります。一方で、専門学校と呼ばれる学校は、約2,800校、存在していて、約60万人の生徒が在籍しています。
その分野も、工業・農業・医療・衛生・社会福祉・商業・服飾・文化と、幅広く分かれています。
大学が、学術重視であるのに対して、専門学校は、職業重視、実際生活に必要な能力の育成、教養の向上を目的とした教育がおこなわれています。いわば、専門学校の卒業生は、専門的な技術を身につけ、多様な現場で求められるプロフェッショナルな人材を養成しています。高校を卒業した人達が進む進路としては、大学に進む比率の方が高いですが、専門学校に進む人達は、社会からすれば、即戦力ともなる若い力ともいえます。
しかも、専門学校の卒業生は、地元企業に就職する割合が、大学と比較して高いため、地元企業との結びつきも就職斡旋等においてとても強くなっています。
ホテル旅館観光業界向けの専門学校
そういう点からしても、ホテルや旅館等、観光業界においても、人手不足といわれる昨今、即戦力としての専門学校の卒業生を、ほっておくわけにはいきませんよね。
専門学校では、大学と比べて短期間で濃いスキルや知識、マインドを学びます。
専門学校には、ホテルマン等、実際にホテルでの就業経験が豊富な教員が在籍しているケースが多くあります。また、実際に、ホテルでの実習もあったり、大学以上に即戦力となる英語等の語学教育に力を入れていたりします。
専門学校のホテル科やホテル専門学校を卒業した人は、必要なスキルや知識、マインドを身に付けているということからも、各ホテルや観光業界から期待されているのです。
専門職と総合職
実は、大卒も短大や専門学校卒も、ホテル側の採用人数はほとんど同数といわれています。むしろ専門学校は、学生との距離が近く、学生一人ひとりと向き合う就職サポートや企業との強い信頼関係があるといわれています。
一般的には、コンシェルジュやバーテンダーなどサービスのプロフェッショナルや、宿泊料飲などホテル運営分野での管理職を目指すのが専門学校で、ホテル企業の経営者を目指すのが大学と見られがちですが、実際には、有名ホテルの社長で、専門学校卒業のOBというかたもたくさんいますので、実際には、学校を卒業して、社会に出てからが本当の勉強であり人生の勝負ということでしょう。
専門学校でおこなわれるベッドメイキングの実習
そんな中、当サイト「一流ホテルのベッド」では、各ホテル向けや旅館等の施設向け、あるいは、個人のお客様向けだけでなく、このような、専門学校様からご依頼を受けて、ベッドや寝具等を納入させて頂くケースが多々あります。
専門学校での実習の中でも、必ず必要な研修のひとつに、客室のベッドメイキングがあります。
やはり、ホテルで働く人達にとって、ベッドメイキングを知っておくことは必須になります。もちろん、実際のホテルでは、ベッドメイクの専門の業者が入っていて、ホテルの従業員が直接ベッドメイクの作業をするというわけではないことが多いのですが、ベッドやマットレス・寝具類は、宿泊されるお客様が最も長時間、直接身体に触れているアイテムですので、客室の中では特に重要なアイテムとなりますので、たとえ宿泊課や施設課でなく他の部署に勤務することになる人であっても、知っておくべき項目となるからです。
ベッドメイキングの実習では、基本的に、実際の高級ホテルで採用されているベッドや寝具類が使われます。特にベッドの上に掛ける寝具類では、その時々の業界の流行もあったりはしますが、基本的にオーソドックスな形でのベッドメイキング方法が実習では使われます。
授業で使われるベッドやマットレス
授業や実習で使われる寝具類については、基本的に、高級ホテルと全く同じ仕様のものが使われるのですが、ただ、ベッド本体については、実際にその上で横になって寝るわけではありませんので、スタイルとサイズ(横幅 x 長さ x 高さ)さえ合っていれば、ということで、学校側の予算的な面もあって、コストパフォーマンスの良いものが選ばれます。
たとえば、リーゾナブルなタイプの「ボンネルタイプ」です。
「ボンネルタイプ」は、コイルの一個一個が連結されているタイプで、従来の大手ホテルでは主流であった仕様のベッドです。最近は、実際の大手ホテル客室では、「ポケット標準タイプ」や「ポケットハードタイプ」等、ポケットコイル仕様が導入されることがほとんどなのですが、ベッドメイキングの教育実習においては、基本的には寝心地の良さに関する追及はさほどありませんので、コスト重視で「ボンネルタイプ」が採用されることが多くなっています。
もちろん、ベッドの寝心地まで再現するというこだわりのある実習の場合は、「ポケット標準タイプ」や「ポケットハードタイプ」が理想です。
ちなみに、ポケットコイルというのは、従来の連結された「ボンネルタイプ」と異なり、コイルがひとつひとつ独立しているので、たとえば、一箇所を手で押さえた際、従来型のボンネルタイプの方はその周囲も一緒に沈む感じですが、ポケットコイルの場合は押さえた箇所だけが沈むというイメージの違いです。それだけ、ポケットコイルの方は、体を「面」で支えるというより「点」で支える形に近く、より自然な寝姿勢が保てるという点で最近の大手ホテルで多く採用されています。
ただ、ベッドの寝心地まで学校で追及することは、メーカーの仕様書にまで踏み込むこととなり、また、時代によってもベッドの仕様は変わりますので、中々難しいことです。
授業で使われる寝具
そして、ベッドメイキングで重要なアイテムなのが寝具類です。
実際には、同じ大手有名ホテルでも、各ホテルによって、(他ホテルとの差別化等の理由からも)、ベッドメイキングの仕方はさまざまなのが実情ですが、専門学校では、その中でも、最もオーソドックスなベッドメイクをおさえておく必要があるでしょう。
マットレスの上に最初に敷く「ベッドパッド」。
そして、その上から、マットレスをくるむ様にして包む「メイキングシーツ」。
その上から、最近、大手ホテルでは主流の仕様である、「ベッドカバー」兼「羽毛布団」としての「デュベ」。
また、その上から掛ける帯状の「ベッドスロー」。
また、ホテルフェザーピロー(+ピローカバー)。
専門学校では、このような一連のベッドメイク作業の実習・研修が日夜おこなわれています。
今後、実際に色々なホテルに就職した暁には、この経験をもとにした応用力で、各ホテルでのアレンジや独自性を発揮したベッドメイキングを実地で学んでゆくこととなるでしょう。
まとめ
ホテル客室の清掃作業では、一部屋当たりにかかる時間というのは、作業効率化のひとつの指標にもなっています。
客室現場での、日々のベッドメイキング作業にかかる労力と技術力について、事前に実習の中で体験しておくことは、今後、ホテル業界へ出て働く若者達には必要な項目のひとつです。
ホテル旅館観光業界において、ベッドやマットレス、寝具、ベッドメイキングというのは、宿泊されるお客様に睡眠・安眠・快眠を与える最重要項目のひとつですから。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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◇ご参照 ホテル客室必須アイテム ;
ベッド ホテル シーツ ホテル ベッドカバー ホテル 枕 ホテル
ベッドスプレッド サータ 和室 ベッド ベッドスロー
大きいサイズ ベッド サータ ホテル マットレス
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